注文住宅を新築するのであれば、サラリーマン家庭の年収の数倍にもなってしまう建築費用の支払いについて、しっかりと見通しを立てておかなければなりません。通常であれば、銀行などの金融機関から住宅ローンを借り入れて、これを長期にわたって返済していくことで、よりすみやかに念願の注文住宅を手に入れるということになるはずです。
住宅ローンはいっても、取り扱いをしている銀行は全国にいくらでもあり、しかも金利の水準なども似通っていますので、なかなかひとつに絞り込むのがむずかしいというのも実情といえます。こうした場合、注文住宅を新築してくれる工務店のほうで、子会社として住宅ローンの専門会社をもっている場合がありますので、相談をするなり、資料を取り寄せたりしてみてもよいでしょう。
一部の工務店が住宅ローンを専門とした金融機関を子会社として設立しているのは、フラット３５とよばれる、住宅金融支援機構との提携による長期固定金利の住宅ローンの受付窓口となるためです。このフラット３５というのは、いわば準公的な住宅ローンであり、完全な民間の金融機関によってつくられた住宅ローン商品にはないような特徴をもっています。
名前からもあきらかなように、フラット３５の場合、３５年間という長期にわたっての借入が可能であり、しかも固定金利ですので、現在のような低金利の時代に住宅ローンを借り入れておけば、それが将来にわたってずっと続くため、トータルとしてみるとかなり有利な返済条件になるといえます。固定金利であれば将来的な返済額の見通しも立てやすく、金利上昇によって負担が増えるといった心配もしなくてすむため、メリットは大きいといえるでしょう。
また、一般の金融機関ではなく、工務店の子会社が取り扱っているということから、その工務店で注文住宅を新築した顧客である場合には、いくらか特典が付与されることもあるわけです。フラット３５も金利の設定はそれぞれの金融機関によって異なっていますが、工務店経由であれば一般的なものよりも低い金利で契約をすることができますし、また、融資手数料なども無料であるか、ほとんど負担にならないような金額ですむことになります。
このように、同じ住宅ローンを借りるのであっても、窓口の選びかたによって、トータルでみたときの負担額がかなり違ってくることがありますので、できるだけ有利な条件になるようなところと契約をしておきたいものです。