住宅ローン金利について

注文住宅の新築については、自己資金ではかなり不足が生じるため、多額の費用を住宅ローンをもって充当する場合が一般的であるといえます。この住宅ローンの返済は、借りた金額そのものである元金と、元金に一定の利率を掛け算した金利の両方を金融機関に対して支払うことになりますので、特に金利部分の決め方は重要であるといえます。住宅ローンの金利については、基本的には固定金利か、それとも変動金利かという選択となってきますが、両者にはそれぞれのメリットとデメリットとがありますので、適当なほうを選ぶことができるようにしたいものです。
固定金利の住宅ローンは、借りたときの金利の水準がそのまま将来にわたって続くものであり、今後の返済金額の見通しを立てる上では、たいへんつごうがよいものです。そのかわり、金利が高水準にあるときに契約をしてしまうと、その金利が将来にわたって続くというはなしになりますので、場合によっては返済金額をトータルでみるとかなりの割高感が出てくる可能性がないわけではありません。
いっぽうの変動金利については、定期的に金利の水準が見直しされるものであり、その時点での金利が適宜反映されるというところに特徴があるといえます。住宅ローンの契約をした時点では高金利であったとしても、将来的に低金利になれば、その金利が適用されるようになりますので、支払いをする金額が少なくなります。
それでは、実際に注文住宅を新築する場合に、どちらの金利を選択するのがよいかですが、個別の条件によって違いはあるものの、低金利時代の今であれば、固定金利でも十分にメリットが大きいといえるでしょう。日本銀行ではデフレ脱却をめざして低金利政策を採用しており、現在はマイナス金利まで導入しているという状況です。このような金利政策は、将来的に物価目標を達成した時点で終了となり、ふたたび金利が高くなることが想定されます。そのため、今の時点で注文住宅の新築を目的とした住宅ローンを長期固定の低金利で借り入れができれば、将来的に低金利政策が見直されて金利が高騰した段階であっても、負担はこれまでどおりですむことになり、相対的な負担感は軽減される可能性が高いというわけです。
もちろん、将来のことは予測がなかなかむずかしいため、かならずしも見通しが実現するとは限りませんが、現時点で得られている情報を総合するところでは、固定金利に分があるといえるでしょう。